2015年3月14日土曜日

同級生・卒業生 / 中村明日美子



同級生・卒業生 / 中村明日美子




ボーイズラブ漫画の感想を書くのは初めてですが、書かずにはいられないほど大好きな作品です。常に枕元に置いておきたい。

前置きとして、私は腐女子というわけではないと思います。所謂それが、男性同士の恋愛を好んでハァハァするものであるとすれば、違うなぁと思うんです。
例えば、前に書いたことがある「ハイキュー!!」が大好きな私ですが、男キャラ同士のカップリングだとか恋愛だとか全然興味なく、考えたこともありません。
腐女子の恰好の的と言われる黒バスに関しても、普通に読むのが一番。敢えて男性同士の恋愛を妄想したりは無いです。

ですが恋愛ものの漫画が好きなので、ボーイズラブも読むし、ガールズラブも読むし、つまり主人公がイチャラブして幸せになってくれるなら種類は関係ないといいますか。

カテゴリとしての偏見は全くなく、もちろん紙媒体での漫画も他のと変わらず所持しております!
通販も利用しますが、普通に本屋さんでも買っちゃいます。
偏見ある人もいるだろうから、ノーマルものとは別の場所にしまってありますが。
あまり人の目に晒すものでもないですので…

と、そんな私の考えはどうでもいいのですが


この同級生シリーズ、つい最近出会いました。
Amazonのレビューで絶賛されていて、ずっと前から存在を知っていたものの、踏み出せなかった本の一つです。

同級生→卒業生 冬→卒業生 春→空と原→O.B①→O.B②
と、6冊すべてシリーズモノですが、ここでは、同級生、卒業生冬・春について語ります。

まず、絵の雰囲気が他の漫画とは違います。
好みが分かれると思いますが、うーん、失礼だけど少し古い感じ、とでも言えば分かり易いのか、わかりませんが…

CLAMP先生の「HOLiC」や、西けい(漢字が出ません)子先生の「姉の結婚」など、ちょっとクセのある感じありますよね?クセというか味というか。
そんな感じが、この中村明日美子先生にもあります。

ここから本編に触れますのでネタバレ注意です!



高校受験に失敗し、県内の三流高校に通う真面目な男の子 佐条利人(さじょうりひと)と、バンドマンで同じクラスの 草壁光(くさかべひかる)が合唱祭の訓練で仲を深め、恋愛に発展していきます。

素直になれない佐条と、佐条が大好きで仕方ない草壁、さらに密かに佐条へ想いを寄せる音楽教師 ハラセン(原 学先生なのでハラセン)も加わり、切ない三角関係になります。



同級生~卒業生までは主に、優等生の佐条と学校に見合ったレベルの草壁それぞれの進路について描かれています。

京都の大学を受ける事が決まっていた佐条、離れ離れになる不安、受験への不安、タイミング悪く親の入院が重なり面倒を見ることになった不安、焦り、
それを持ち前の優しさ、素直さでサポートし支える草壁は、佐条にとって精神安定剤のような存在でした。

なにより、佐条が頭がいいことをハナにかけておらず、レベルが低い高校でも毎日しっかり勉強して、合唱祭の練習も真面目に取り組んで、健気で真面目で実直な佐条が可愛いのです。

ハラセンが佐条といかにして出会ったのか、どんな想いを寄せているのかも、しっかりエピソードがあり、描かれています。これがまた切ない。

佐条と草壁のラブラブっぷりを見ていてもつい、ハラセンの気持ちも汲んでやって…と思わずにはいられないのです…!



また私の勝手なボーイズラブ論ですが、エッチなシーンは多くありません。
中にはコテコテなエロ本みたいなのありますが、私はエロが読みたいわけではなく、断然ストーリー重視なので問題なく。
この本関しては、卒業生春の終盤でようやく軽めの描写がある程度です。

でもそれがまた良い。お互いがお互いを好きで望んでいて、でも至らない…そのぶん、気持ちの表現がもうすんばらしい!のです…!

それから、男同士の恋愛に対する世間体など、よくテーマにあったりしますね。
もちろんこの本にもそういった展開がありますが、あまり抵抗というほどのものにはなりません。
男子校ということもあって、みんな受け入れてくれたり。もちろんノーマルな人も居て、ゲイばかりではないのですが。

でも、私初めて見たんですが、なんと二人は結婚しようかってなるんですよ。

俺の嫁さんになって、いつも家で俺の帰りを待っててね。みたいなプロポーズはよくあるじゃないですか。

でもこのふたりはなんと、二十歳になったら養子縁組しようね。という、結婚の約束をするわけです。
読んだ時はもう、目からウロコ…。なるほど~!って、すごく納得しちゃって!

数あるボーイズラブ漫画を読んできましたが、養子縁組で家族になる=結婚する という発想はありませんでした…すごく感動しました(笑)本当に。感動。

なんだかんだと語っていますが、つまるところ、佐条と草壁のお互いを信頼し合い、愛し合い、必要とし合っている関係性が、本当に胸キュンなのです。

クールに見えて甘えたさんな佐条と、遊んでそうに見えて一途な草壁は、唯一無二のパートナーって感じがするのです。

あとは、ぜひ読んでみてほしいです。胸がホカホカしますよ~。

スピンオフ作品「空と原」、後日談の「O.B①②」の3冊にも、二人は登場しております。次の記事でこっちについて書きます。そのうちね。

今のところ2015年ナンバーワンおすすめ作品でございます。初めに書きましたが、絵柄の好き嫌いがあるのでご注意ください。


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YUKIYUKI_4(ブログ用)

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