2015年3月14日土曜日

同級生・卒業生 / 中村明日美子



同級生・卒業生 / 中村明日美子




ボーイズラブ漫画の感想を書くのは初めてですが、書かずにはいられないほど大好きな作品です。常に枕元に置いておきたい。

前置きとして、私は腐女子というわけではないと思います。所謂それが、男性同士の恋愛を好んでハァハァするものであるとすれば、違うなぁと思うんです。
例えば、前に書いたことがある「ハイキュー!!」が大好きな私ですが、男キャラ同士のカップリングだとか恋愛だとか全然興味なく、考えたこともありません。
腐女子の恰好の的と言われる黒バスに関しても、普通に読むのが一番。敢えて男性同士の恋愛を妄想したりは無いです。

ですが恋愛ものの漫画が好きなので、ボーイズラブも読むし、ガールズラブも読むし、つまり主人公がイチャラブして幸せになってくれるなら種類は関係ないといいますか。

カテゴリとしての偏見は全くなく、もちろん紙媒体での漫画も他のと変わらず所持しております!
通販も利用しますが、普通に本屋さんでも買っちゃいます。
偏見ある人もいるだろうから、ノーマルものとは別の場所にしまってありますが。
あまり人の目に晒すものでもないですので…

と、そんな私の考えはどうでもいいのですが


この同級生シリーズ、つい最近出会いました。
Amazonのレビューで絶賛されていて、ずっと前から存在を知っていたものの、踏み出せなかった本の一つです。

同級生→卒業生 冬→卒業生 春→空と原→O.B①→O.B②
と、6冊すべてシリーズモノですが、ここでは、同級生、卒業生冬・春について語ります。

まず、絵の雰囲気が他の漫画とは違います。
好みが分かれると思いますが、うーん、失礼だけど少し古い感じ、とでも言えば分かり易いのか、わかりませんが…

CLAMP先生の「HOLiC」や、西けい(漢字が出ません)子先生の「姉の結婚」など、ちょっとクセのある感じありますよね?クセというか味というか。
そんな感じが、この中村明日美子先生にもあります。

ここから本編に触れますのでネタバレ注意です!



高校受験に失敗し、県内の三流高校に通う真面目な男の子 佐条利人(さじょうりひと)と、バンドマンで同じクラスの 草壁光(くさかべひかる)が合唱祭の訓練で仲を深め、恋愛に発展していきます。

素直になれない佐条と、佐条が大好きで仕方ない草壁、さらに密かに佐条へ想いを寄せる音楽教師 ハラセン(原 学先生なのでハラセン)も加わり、切ない三角関係になります。



同級生~卒業生までは主に、優等生の佐条と学校に見合ったレベルの草壁それぞれの進路について描かれています。

京都の大学を受ける事が決まっていた佐条、離れ離れになる不安、受験への不安、タイミング悪く親の入院が重なり面倒を見ることになった不安、焦り、
それを持ち前の優しさ、素直さでサポートし支える草壁は、佐条にとって精神安定剤のような存在でした。

なにより、佐条が頭がいいことをハナにかけておらず、レベルが低い高校でも毎日しっかり勉強して、合唱祭の練習も真面目に取り組んで、健気で真面目で実直な佐条が可愛いのです。

ハラセンが佐条といかにして出会ったのか、どんな想いを寄せているのかも、しっかりエピソードがあり、描かれています。これがまた切ない。

佐条と草壁のラブラブっぷりを見ていてもつい、ハラセンの気持ちも汲んでやって…と思わずにはいられないのです…!



また私の勝手なボーイズラブ論ですが、エッチなシーンは多くありません。
中にはコテコテなエロ本みたいなのありますが、私はエロが読みたいわけではなく、断然ストーリー重視なので問題なく。
この本関しては、卒業生春の終盤でようやく軽めの描写がある程度です。

でもそれがまた良い。お互いがお互いを好きで望んでいて、でも至らない…そのぶん、気持ちの表現がもうすんばらしい!のです…!

それから、男同士の恋愛に対する世間体など、よくテーマにあったりしますね。
もちろんこの本にもそういった展開がありますが、あまり抵抗というほどのものにはなりません。
男子校ということもあって、みんな受け入れてくれたり。もちろんノーマルな人も居て、ゲイばかりではないのですが。

でも、私初めて見たんですが、なんと二人は結婚しようかってなるんですよ。

俺の嫁さんになって、いつも家で俺の帰りを待っててね。みたいなプロポーズはよくあるじゃないですか。

でもこのふたりはなんと、二十歳になったら養子縁組しようね。という、結婚の約束をするわけです。
読んだ時はもう、目からウロコ…。なるほど~!って、すごく納得しちゃって!

数あるボーイズラブ漫画を読んできましたが、養子縁組で家族になる=結婚する という発想はありませんでした…すごく感動しました(笑)本当に。感動。

なんだかんだと語っていますが、つまるところ、佐条と草壁のお互いを信頼し合い、愛し合い、必要とし合っている関係性が、本当に胸キュンなのです。

クールに見えて甘えたさんな佐条と、遊んでそうに見えて一途な草壁は、唯一無二のパートナーって感じがするのです。

あとは、ぜひ読んでみてほしいです。胸がホカホカしますよ~。

スピンオフ作品「空と原」、後日談の「O.B①②」の3冊にも、二人は登場しております。次の記事でこっちについて書きます。そのうちね。

今のところ2015年ナンバーワンおすすめ作品でございます。初めに書きましたが、絵柄の好き嫌いがあるのでご注意ください。


Twitter : yuuuki7xo(メイン鍵付き)
YUKIYUKI_4(ブログ用)

2015年3月2日月曜日

Wジュリエット・WジュリエットⅡ / 絵夢羅



ひぃ!9ヶ月も放置していました!祐希でございます!

まったく更新しないにも関わらず、今でも毎日15件ほど、定期的なアクセス数がありまして…過去記事を読んでくださっている方がいるみたいで嬉しいです。ありがとうございます。(アクセス数確認しました)

また気ままに綴っていこうと思いますので、宜しくお願いします(^_^)


さて、久しぶりではありますが、勿論毎日漫画を読んで過ごしておりましたとも。

書き残したいものはたっっくさんあるのですが、まず直近でハマっていたものを!



Wジュリエット・WジュリエットⅡ / 絵夢羅





けっこう前から読みたい衝動にかられていて、ブックオフでちまちま立ち読みしていたのですが、1週間ほど前ついに全巻(14巻+Ⅱ 4巻)購入してしまいました!今ちょうどLINE漫画でも連載しています。

花とゆめで連載していた当時は小学生で、学童保育に通っていた私は先生が持ってきてくれた古本で読んでいました(笑)
ちなみに同じく置いてあった宮川匡代先生の「林檎と蜂蜜」も読んでいました!小学生のくせに(笑)

ここからネタバレです。(最終的な結果も含みますのでお気をつけください)

高校の演劇部に所属する三浦糸(みうらいと)は、イケメン・長身・運動神経抜群とあって、女子から絶大な人気がある「女子生徒」。
美人な季節外れの転校生 天野真琴(あまのまこと)と仲良くなり、ある出来事がきっかけで、真琴が親から独立を認めてもらう為に女子生徒のフリをして学校へ通っている「男子」であることを知ってしまいます。
「誰かにバレたら即実家へ強制送還」と聞いた糸は、真琴(本名は真)に協力すると決め、一緒に過ごしていくうち、真の男らしい一面に惹かれていきます。真もまた、ありのままの自分と真剣に向き合い接してくれる糸の色んな部分に触れて、糸が真を想う以上に彼女を好いていくようになります。

お互いの夢である「役者」に向かって、親との約束である卒業式まで女を演じ切ろうと協力し合う二人に、真の婚約者、家族、部活の先輩など、様々な妨害が降りかかります。

舞台が高校の部活ということもあり、お泊まり合宿や文化祭、修学旅行に遠足など、一見楽しいイベントもありえないアクシデントに見舞われたり、とにかく毎話てんやわんやな展開になります(笑)

お付き合いし、卒業し、カミングアウトし、劇団に入り、最終的に結婚…と、ここで本編は終了!

WジュリエットⅡは、新婚さんな二人の生活…というよりは、1~3巻まで周辺カップル達の話(番外編)を収録。もちろん糸&真も出てきます!

4巻からはラブラブ全開の二人がメインに戻り新章スタートといった感じです。真に続いて糸も芸能界入りし、またてんやわんやな毎日を過ごしています。

久しぶりに読んだけど、ものっすごく楽しめました!と同時に、内容すっかり忘れてるもんだなーと思いました。

糸を溺愛する三浦家の男共がまた強くてかっこよく(家は空手道場)、そんな面々に負けず劣らず強い真(家は中国拳法道場)にまた惚れ惚れしてしまいます…きゅん。

そして、サバサバ系の糸としっかり者の真なのに、なんだかんだ糸に激甘な真が可愛い……!何と言ってもルックスが完璧なうえに信念を持っている糸なので、男性にも女性にもモテてしまうのです。
鈍感で無自覚な糸を心配しては、ナンパ相手を蹴散らしたり、時には小学生にすら嫉妬してしまう真もまた糸を溺愛する男の一人なのでした…。

そんな糸さんも、真が男に戻る頃には髪も服装も女性に戻ります。その変化っぷりがまた可愛いぃぃぃ!!

Ⅱでは晴れて夫婦になった二人なので、イチャイチャシーンも多く最高にきゅんでした。あくまで少女漫画の範疇ですが。ごちそうさまです。
真の男らしい顔やSっ気たっぷりな顔、糸が好きで仕方ないといった顔満載です。何度読み返しても飽きないとはこのことか!と!

周りのキャラもそれぞれカップルができており、まわり身内すぎない?と少し考えものですが、みんなベストカップルなのでそれはそれで良しとしましょう。糸と真が幸せならいいんです!

なかなか新巻が出ず、3~4年空くこともザラだったようですが、帯の絵夢羅先生コメントで「季刊誌から月刊誌にお引越ししました!」とあったので、少し早く出してくれるかな?と期待しています(^_^)わくわく

早く続きが読みたい!

昔の漫画を読み返すと、ありえないだろ!って言いたくなるような展開が満載だったりしますが、最近のありがちな高校生ラブストーリー漫画に飽きている自分としては、久々に良い刺激になったなーと思えております。

しばらく繰り返し読めそうです!


お知らせ

Twitterにて、ブログの更新情報をツイートしています。
ブログ用アカウント→YUKIYUKI_4

鍵付き本アカがあるのでそちらで更新のツイートをしていましたが、そのうち統一しよーかなーと思っています。

宜しくお願いします!

2014年6月6日金曜日

カレは女とシたことない。 / 都陽子


カレは女とシたことない。 / 都陽子



本屋でタイトルと帯が目について、そのまま購入したもの。いわゆるジャケ買い!
けど、凄くおもしろかったです。

32歳の販売員アキコが同僚の結婚を機に婚活を始めお見合いした相手は、元同級生でイケメン御三家の市原くん。
顔も仕事も性格もセンスも良い彼がなぜ売れ残っているのか不思議に思いつつも、デートを重ねるうちに惹かれていきます。

そんなとき、市原くんから「実は俺、童貞なんだ。」「女の子と手も繋いだことなくて」「けど、俺は結婚したいと思ってるし、引いただろから、正直に言って…」と告白されるアキコですが、可愛くてヘタレな彼の一面を可愛く思い、お付き合いを始めます。

それから、過保護で無神経な癖のある彼の家族に会ったり、脱童貞を目指す彼とぶつかったり、理解しあったり、そしてまさかの結末(笑)一巻にぎゅぎゅっと凝縮されています。


ネタばれ含みます ***


何と言っても、市原くんのピュアさが可愛くて仕方ない…!
旅行先で温泉入るのにワクワクしたり、今夜は頑張ろう…って意気込んだりドキドキしたり、いざ致そうとしたら挿れる前にイってしまって失敗するとか、オカマな弟(見た目は美女)から貰った「最高のセックス」なる本を熟読してたり…

アキコにいじわるする家族にはビシっと言ってくれたりかっこいい反面、天然でヘタレな一面もある、ちょっと残念イケメンなところがまた可愛くてね。

アキコが「女だったらやっぱ男の人にリードしてもらいたいじゃん…」と言えば




開き直ったり

いい雰囲気になったところで



頭打ったり、、
もう本当に!

\   可 愛 い   /


市原くん愛しい。

アキコを苦しめる過保護な市原ファミリー(母・姉・弟)ですが、母はともかく姉と弟とはそれなりの関係を築き、とくに弟(オカマ)とは姉妹のように良き理解者となった様子で安心。嫌味っぽいけど嫌な人たちでは無いのがわかるので良かった。

ちなみにこのオカマな弟ちゃんは童貞では無く、中学生ですでに同性愛者であることが巻末の番外編で判明します。
ではなぜ童貞ではないのか?それも番外編でさらっと判明。

絵は女性誌漫画といったタッチで可愛い系ではないけど、大人の恋愛を描かれるのに違和感が無くて好きでした。

まさにタイトル通りの内容で、期待を裏切らないストーリー展開と結末で私的にはとても良かった!
たまには女性誌漫画も良いなと思いました。

2014年5月16日金曜日

四月は君の嘘 / 新川直司


四月は君の嘘 / 新川直司



前にちょこっと触れた、超おすすめの一作。
今日新巻が出ていい機会だと思ったので書き留めておきます。

ピアニストの母から英才教育を受け、神童と呼ばれるほどコンクールでは常にトップに君臨していた少年有馬公正。
厳しい母親の死と同時期から自分の弾くピアノの音だけが拾えなくなってしまい、表舞台から姿を消していました。

中学生になってすっかりピアノを弾かなくなっていた頃、バイオリニストである同級生 宮園かをりと出会い、半ば無理やり一緒に舞台に立たされることに。

練習し、聴こえない耳で弾き、歓声を浴び、非難を浴び、また表舞台に戻るべく過去と向き合うと決めた公正と、かをり、幼馴染や仲間達との日々を描いた漫画です。



いろんな舞台での演奏場面があるのですが、その奏者の自分自身との葛藤や過去を背景に、曲の解釈、演奏の技術が描かれていて、話の流れも絵自体の技術や精密さにも本当に感動します。

それは、奏者の指先から緊迫した会場の雰囲気、観客の反応まで、読んでいてゾワリと鳥肌が立つほど…。圧倒されます。
各々が持つ演奏と心の問題がグルグルと。



でも、ひとつひとつ乗り越えて、いろんな人と出会って刺激を受けて成長していく公正を応援しているし、公正の演奏で観客が打ち震えたり歓声をあげたりするシーンを見るとじんわり感動して思わず泣けてしまったり。

主にピアノとバイオリンの演奏シーンですが、この新川直司先生、クラシックの知識がほとんどなく、ピアニストとバイオリニストと作曲家の監修の下描かれているのだとか…

既出の「3月のライオン」羽海野チカ先生然り、‘監修の下’ってだけで描けてしまうものとは到底思えないので、相当学ばれているのだと、そうやって努力をする人だからこそ、心を打つ作品が描けるのだと思うのです。


そうそうそして、これ絶対アニメ化あるだろうと思っていましたが、10月からノイタミナでスタートするらしいです!
今日知りました…私としたことが…



なんと制作はA-1pictures!
あの花、WORKING!!、新世界より、銀の匙、サーバント×サービスなど、私のお気に入りアニメがたくさんの制作会社です。
代表作だとアイマス、SAO、うたプリとかになるのでしょうか…

アニメのオフィシャルサイトでムービーを見ましたが、かをりはもっとストレートヘアなんじゃないかとかは置いといて、凄くいい感じでした!ドキドキした!

音楽漫画のアニメ化って最高ですよね。クラシックに詳しくないので、漫画を読んでは動画サイトで検索してその曲を聴いて、ってやっていたので、そのシチュエーションで音楽が聴けて話が入ってきてって最高です。楽しみだなぁ!



2014年5月15日木曜日

ひるなかの流星 / やまもり三香


ひるなかの流星 / やまもり三香




高校生の恋愛モノは苦手なはずの私ですが、なんとなく手を出してしまいました。

ざっくりざっくり説明すると、田舎育ちの女の子が東京の親戚の家に居候することになり、友達や恋人との間で今までに経験した事のないような葛藤を乗り越えてゆうというようなストーリーです。ざっくり。

ここからは同じ読者様向けの内容になります。9巻までのネタバレゴンゴンいきます!


さて。読んだことある人であればわかるでしょうが、この物語は二つの派閥に分かれるのは必至。

先生派 か、



馬村派か…!



おそらく読者の8割は馬村派かと思います。
ところがどっこい私は先生派です。

いや、馬村の素晴らしさは理解できます。不器用で素っ気ない態度を取る癖に影では超一途に片想いしちゃってるうえ女子になびかないどころかシャイな一面を持つアーバンな塩顔系男子推定身長178cm…

こんなん誰もが恋するわ。風早君もビックリだわ。 

なによりなにより、一途に慣れない恋心と葛藤し、自分なりに必死で想いを伝えてくれるそんな姿に乙女達の心はグワシと掴まれてしまうのですよね。わかる…

しかし先生を見てください。なんと情けないお姿でしょう。8巻の冒頭で馬村に散々言われておりますが、本当的を得てるというか、ぶっちゃけ先生の肩を持てないくらい先生が悪いですものね。

馬村を応援したい気持ちもわかる…だってあんなに頑張ってるしいい風吹いてるし…むしろ超応援してる!あれ、私先生推しじゃなかったっけ?

ですが、先生がこれで終わる筈が無いじゃないですか。すずめがこれを乗り越えて馬村と真剣に向き合うならもう馬村確定だけど、お互い未練タラタラの状態で今の展開って、馬村の咬ませ犬フラグ立ちまくりじゃないですか…そんなの悲しい……あれ、私先生推しじゃなかったっけ?

今後そんな事になったら私が耐えられないので、いざそうなってもショックを半減させるため今のうちから先生推しだと言っている自分です。
でも先生は先生ですずめ大好きなのが伝わってくるから好きです。大事にしてくれてるのがわかるから!

でも馬村応援してるから!応援してるのは馬村だから!マムー!
そしてゆゆかと土牛センパイもね!

そんなわけで、塩顔系男子のツンデレを応援したくなっちゃうような漫画をお探しの方が近くに居ましたら是非お勧めしてあげてください。これを読んでくださったかたはきっと同志だと思うので、これからの展開を語っていしたいですね。

等身大馬村パネルと写真が撮れる、ひるなかの流星原画展に行きたい…

2014年4月20日日曜日

ハイキュー‼︎ / 古館春一


ハイキュー‼︎ / 古館春一



前から気になってたものの読んだこと無くて、アニメが始まって1話見てすぐに漫画全部借りて最新巻買ってしまいました。。

(がっつりネタバレ含みます)

舞台は宮城県、偶然電器屋のテレビで見かけた全国大会の中継を見た小学生の日向翔陽は、「小さな巨人」と比喩される烏野高校の選手の活躍に憧れ、中学でバレー部へ入部するも、人数が足りなく3年間試合に出ることができずひたすら個人練習に励んでいました。



そんな中、助っ人を寄せ集め素人同然のチームで最初で最後の公式戦に出場するも、一回戦の相手は「王様」と名高いセッターを要する優勝候補の名門中学。
結果はストレート負けだったものの、日向の運動神経やジャンプ力、バレーへの熱意にアテられ、一部から一目置かれる存在になります。

時は過ぎ中学を卒業、烏野高校へ進学した日向は「王様」へリベンジすべくバレー部へ入部し体育館へ向かうと、なんと「王様」影山飛雄が同じ烏野高校バレー部に。影山は名セッターであるものの、独裁的な性格故中学ではチームから孤立していました。

さらに、今の烏野高校には数年前の強さは無く、周りからは「翔べない烏」「墜ちた強豪」と呼ばれる程に。
そんな、部活でみんなとバレーができる事が嬉しい頑張り屋の日向と孤独な王様影山が最強のコンビを組み、烏野高校の個性的な先輩達や同級生に囲まれ、真のチームを築き汚名を払拭すべく戦っていく!といった感じの内容です。

バレーのルールがまったくわからない私ですが、いちいち説明が書いてあるのでなんとなく理解しながら読み進めていけてます。
こう比較するのは宜しくないかもしれないけど、ムードメーカーの主人公や美人マネージャー、王様な相棒、正メンバーが揃ってない所からのスタートなどなど、要素が「スラムダンク」のようだと感じました。もちろん私はスラダン大好き!です。

黒バスやテニプリのように、技名が付くあり得ない必殺技や、全員イケメン!みたいな事はなく、笑いあり、涙ありな熱血スポ根バレー漫画と言えると思います。

あと私の悪い癖で、このような試合ものの漫画は、人物の思惑や過去やこの先の流れを考えて先読みして、ある程度結果を予想してしまうのですが、それを見事に裏切ってくれます。これ本当。
ここは勝つでしょと思ったら負けたり、ラブフラグでしょと思ったらそうでも無かったり、結果良い意味で裏切られ、読んでて最高に楽しいです!

みんなそれぞれぶち当たる壁があって、敵いそうもない強い相手はざくざく出てくるし、大きな目標を達成する為に新しい技を磨いては研究を重ねてを繰り返し、成長していく。



なんだかんだ喧嘩をしてもコンビとしては最強で、バレーへの熱意もお互い負けず劣らずな日向と影山の二人のやりとりがものすごく面白くて、笑っちゃいます。

ライバルであり良き相談相手である他校のバレー部との事や、もちろん日常の学生生活なども描かれていたり。面白くて感動するスポーツ漫画です!

バレー部全員の関係性が大好きですが、個人的には2番の副主将 菅原さんが大好きです。
菅原さんのエピソードも泣かせます。

他校生では東京 音駒高校の孤爪研磨。音駒のセッターで、日向とは割と仲良しな存在。
私は単純なので、烏野にとって嫌味なキャラは基本的に嫌いで、仲良しなのは好きです。笑

日曜5時枠でアニメも始まりました!楽しい!!

2014年3月29日土曜日

3月のライオン / 羽海野チカ


3月のライオン / 羽海野チカ




私の大大大好きな物語です。
ついこの前、手塚治虫文化賞を受賞しましたね!

プロ棋士である高校生の桐山零くんが主人公で、将棋の世界や周りの人達との関わり、義理の家族との確執、心の傷などを描いています。
将棋の世界についてまっっったく無知でしたが、細かく書かれているので流し読みでもストーリーを追える感じになっています。
もちろん、話の進行と共に解説もされているので、対局の流れを理解しながら読んでいくこともできて、とても興味深いです。

そして、あるきっかけがあって出会い、桐山くんがお世話になったりお世話したりと家族のような関係である川本家の三姉妹とおじいちゃん、プロ棋士界の先輩、同僚など彼を取り巻く環境に彼自身救われたり考えさせられたりしながらも強くなっていきます。
いじめについても深く描かれていて、私は涙ぐみながら読みました。深く語らないのでぜひ読んでください。

「ハチクロ」でお馴染みの羽海野チカ先生ですが、何が好きかって、どんな細かい小物の絵まであったかい感じがするのです。
風景も背景も情景も、あったかくて大事に描かれているのが伝わる、ウィキペディアにも同じことが書いてあるんですが、それを読まなくてもわかるくらい、わかるんです。それが大好きな理由。

そして、動物の表情が豊か。犬や猫が登場するとき、人間のようなセリフが付いていて、本当にそんな事を言っているような表情で描かれているのです。



羽海野先生自身、猫ちゃんを飼っているようでTwitterに載せられてるのをよく見るのですが、そこでも猫ちゃんのセリフ付きで呟かれていたり、喋っているようでもう可愛いのなんの。

そしてそして、描かれるご飯が本当に美味しそう!!!ふくふくでキラキラなお料理の描き方をされていて、写真や映像ならまだしも、絵で食欲をそそるって、すごい。



そのなかのひとつ「甘やかしうどん」(川本家に伝わる受験勉強時に出てくるおうどんで、贅沢にきつねあげとエビ天と温泉卵が具に入ってるもの)を自分で作って食べてみたらめちゃくちゃ!!美味しかった。。。

羽海野先生の柔らかい絵やカラー、力強い表情、コメディチックな運び、どれを取っても漫画家さんとして最高だと私は思います。



また、舞台が月島ということで、少し田舎っぽいところや庶民的なところがまたあったかみを感じるといいますか、大好きな空気です。

これもまた私が好きな「ひとつのテーマを極めるため努力する系」に当てはまるのですが。サッカーとか野球とかメジャーなテーマにはあまりそそられないんですよね。
かるたとか将棋とか昔遊びてきな漫画ってあまりないですよね。ちなみに今すごくヒカルの碁が読みたいです。笑
あと音楽に努力する系が好きです!それこそドラマ化までしていますがのだめカンタービレや、四月は君の嘘など。これは後々書きたいと思っているのでまた今度。

羽海野先生の原画展もう一度やってほしいと願います。堅苦しい漫画だと思っているかたも多いと思いますが、ぜひ試しに1巻を読んでみてほしいです。そしたらきっと、一気に全部読んじゃうはず!
オススメです。